- 沖縄の台風あるある
- 沖縄県民の台風時の知恵
- 沖縄県民の台風時の過ごし方
台風の常襲地帯と言われる沖縄では、台風への備え方や過ごし方に独特の文化があります。
この記事では、沖縄県民なら「わかる!」とうなずいてしまう台風時の「あるある」を、地元メディアやSNS等からまとめました。
沖縄ならではの前向きな乗り切り術をご覧ください。
沖縄で台風接近前の「あるある」

台風が近づくと、沖縄ではまず「備え」に大忙しになります。
その中にも沖縄ならではの光景や反応がみられます。
さっそく台風接近前の「あるある」を見てみましょう。
水・カップ麺・パンが“秒速”で消える
台風が来るとわかると真っ先にスーパーへ買い出しに走るのが沖縄流。
非常用の食料や水を買い込むため、ペットボトルの水、カップ麺、菓子パンなどの日持ちする食べ物が棚から一気に消えます。
強い台風ほど商品が早くなくなるため、店の棚の空っぽになる速さが台風の勢力のバロメーターだという声もあるほどです。
実際、スーパー側もパンや即席麺、水の仕入れ量を通常の倍以上に増やして対応しますが、それでも品薄になってしまいます。
断水に備え、飲水量を確保しておくのも鉄則です。
参考:朝日新聞(2023年6月3日)台風が来ると売れる肉 沖縄のスーパーは仕入れを1.5倍に
スーパーが“戦場”になる
台風前日のスーパーはまさに戦場さながらの混雑ぶり。
「明日は台風直撃かも」という日の夕方になると、どこのスーパーも買い物客でごった返します。
カートいっぱいに食料品を詰め込む光景が恒例です。
地元紙の報道によると、台風21号接近に備えた日に県内は、スーパーが終日混雑していたことがあったとあります。
台風前のスーパーは非常事態モードでいつも以上に活気づいています。
参考:琉球新報(2017年10月22日)台風対策、各地で大忙し スーパー混雑、期日前投票には長蛇の列
台風情報で学校が休みになると…子ども大喜び
暴風警報が出ると学校は休校になるのが基本です。
台風の進路や規模によっては前日のうちに休校決定の連絡が入り、「明日は休み!」とわかると子どもたちは大喜びします。
台風=学校休みを前提にしている節があり、接近中には小中学生がそわそわおちつかなくなるのも沖縄あるある。
暴風域に入れば公共交通機関も止まり大人も仕事が休みになるケースが多いため、子どもだけでなく大人まで内心ワクワクしてしまうのが沖縄流なのです。
SNSがざわつき始める(例:#台風実況 #沖縄あるある)
台風が近づくと、沖縄のSNS上では関連ハッシュタグが飛び交い始めます。
中でも有名なのが、24時間営業で有名なローカルスーパー「ユニオン」の動向。ユニオンは沖縄県民にとって、「年中無休」が当たり前の存在。
ユニオンが閉まるとSNSでは「ユニオンでさえ閉店するなんて、今回の台風はやばい!」と大騒ぎになるのがお決まりです。
SNS上で台風接近の段階から独特の盛り上がりと情報共有が始まるのも、沖縄のみんなで台風に備えるという空気のあらわれと言えるでしょう。
沖縄で台風本番〜通過時の「あるある」

台風が直撃・通過する間、沖縄ならではの体験談が数多く聞かれます。
台風本番中の「あるある」を見てみましょう。
静かになる“目”の時間に外に出がち
猛烈な雨風が嘘のようにピタッとやむ「台風の目」の時間帯の一瞬の静寂に、つい外に出てしまう人が多い。
「今のうちに…」と外へ出る住民が後を絶ちません。
台風の目に入ると一斉に外へ出て被害状況を確認したり、近所のスーパーに走ったりする人もいます。
この行動力も台風慣れした沖縄ならではです。
ただし、台風の目が通過後も吹き返しの暴風が来るため、本当は外出禁の時間帯だということは十分理解しておきましょう。
停電して冷蔵庫ピンチ
大型台風の直撃時には広範囲で停電が発生し、冷蔵の中身が大ピンチ!という事態がよく起こります。
沖縄県民は停電への備えも万全で、冷気を保つために「停電したら冷蔵庫は開けない」が常識。
あらかじめ凍らせておいたペットボトルなどで即席の保冷剤を作り、クーラーボックスに食料を移して保存します。
とはいえ、停電が長引くと冷蔵庫の中身整理に追われるのも事実で、台風後には生鮮食品を泣く泣く処分することもあります。
“網戸の悲劇”あるある(風で吹っ飛ぶ/音で眠れない)
強風でガタガタと激しく揺さぶられ、「バン!バン!」と轟音をたてる網戸に一晩中悩まされた経験が一度でもあるのではないでしょうか?
特にゆるめに調整された網戸は強風で勝手にスライドし、レール端にぶつかって大きな音を立て続けます。
網戸自体が外れて飛んで行ってしまうケースもあるため、台風前に網戸を外して室内にしまう家庭が多いのも沖縄あるある。
「網戸は外す」が沖縄では半ば常識となっています。
雨より“風”の破壊力が怖すぎる
本土は台風=大雨による浸水被害を想像しますが、沖縄ではとにかく風の威力が桁違い。
最大瞬間風速50~60m/s級の暴風が吹き荒れることも珍しくありません。
屋根が飛ぶ、電柱が倒れる、飛来物で窓ガラスが割れるなどの暴風による被害が甚大で、地元民は雨より風が怖いという意識が強いです。
沖縄県民は中心気圧に注目し、「今回の台風は980hPaだからそんなに心配いらないね」と風圧の強さで警戒度を判断しています。
暴風そのものに慣れてしまっていますが、沖縄でも風速80m/s級の「スーパー台風」が来れば甚大な被害が出る可能性があるため、油断大敵です。
隣近所の様子が気になる、見に行く
台風の最中や直後に、お隣さんや近所がどうなっているか気になるのが人情というもの。
近所同士で「大丈夫だった?」と声を掛け合ったり、お互いの家の被害情報を見て回ることがよくあります。
地域ぐるみでお互いの無事を確認し合うのが沖縄流。
近所付き合いの中で、台風情報や停電情報を交換し合ったりできるのも心強いですね。
沖縄ならではの台風対策と知恵「あるある」

何度も台風を経験しているので「備えあれば憂いなし」の知恵がたくさん蓄積されています。他県では見られないようなユニークな台風対策もあり、「沖縄あるある」として語られます。
沖縄ならではの台風対策・知恵をご紹介します。
洗濯機やクーラーの室外機にブロックを置く理由
沖縄では洗濯機を屋外に置いていることが多いため、台風時に洗濯機が吹き飛ばされないように重石を載せるという知恵があります。
洗濯機の中に水を満タンにためて重くすることも推奨されています。
蓋が開かないようにテープで留め、飛んできたゴミが中に入らないように工夫もします。
エアコンの室外機も台風で転倒・移動する恐れがあるため、上にコンクリートブロックなど重石を載せて固定するのが定番対策。
沖縄では「台風前に洗濯機にブロック!」はよく知られた光景です。
雨戸がない家の“Xテープ”文化
沖縄の住宅には雨戸がついていないケースが多く、台風前にガムテープや養生テープで大きな「✕印」を貼るのが沖縄のあるある対策。
一面にガムテープや養生テープを貼ることで、万が一ガラスが割れても飛散を防ぎ、破片が飛び飛び散るのを防ぐ狙いがあります。
多くの家庭が当たり前のように実践しています。
ホームセンターでは台風シーズンに養生テープが売り切れるほどで、「窓にテープ」は沖縄の夏の風物詩ともいえます。
電気が止まっても慌てない「台風セット」
沖縄では、台風でライフラインが止まることを想定し、非常用品をひとまとめにした「台風セット」を常備している人が多いです。
中身は、懐中電灯、予備電池、カセットコンロ(卓上ガスコンロ)とボンベ、水と食料数日分、ラジオ、モバイルバッテリーなど。
停電・断水になってもしばらく自力で生活できるグッズ一式をそろえておきます。
沖縄では毎年のように台風で数日間停電・断水があるため、「台風セットがあるから大丈夫」と慌てず構えていられます。
「停電しても数日はなんとかなる」と余裕を持っていられるのが沖縄の強みですね。
地元民が冷蔵庫より重視する“クーラーボックス”
沖縄では冷蔵庫と同じくらい、いやそれ以上にクーラーボックスは重要視されています。
停電になると冷蔵庫は使えなくなるため、あらかじめ大きなクーラーボックスと保冷剤を用意しておき、停電した瞬間に必要な食料品を移すのが定番です。
冷蔵庫は開閉厳禁で冷気をキープしつつ、頻繁に使う飲み物や食べ物はクーラーボックスで確保するという二段構えで乗り切る。
地元民にとってクーラーボックスは台風時の命綱なのです。
沖縄で台風時の過ごし方あるある

台風で外出できない間、沖縄の人々はどのように過ごしているのでしょうか。
停電の有無に関わらず、暇つぶしや家族団らんの方法に独特のパターンが見られます。
ちょっと楽しい台風ならではの過ごし方「あるある」をご紹介します。
ずっと天気図を見ているおじぃおばぁ
台風慣れしているだけあって、気象情報のチェックに余念がありません。
テレビやラジオの台風情報や、天気図や進路予想図を食い入るように見つめています。
台風が発生すると予想進路と中心気圧を確認し「920hPaあるから用心しないとね」なんて会話が家庭内で交わされることも。
孫世代がゲームに夢中になっている横で、おじぃおばぁはひたすらNHKの台風進路図を見守っているという光景も台風時の定番です。
ゲーム・漫画・YouTube三昧(でも充電が…)
若い世代を中心に、台風で家に缶詰め状態のときはゲームや漫画、YouTube見放題で時間をつぶす人が多いです。
最近はネット配信サービスが普及したので、自宅でNetflixやYouTubeを満喫する人が増えています。
問題は停電やバッテリー切れ。
台風前にはスマホやモバイルバッテリーの充電を満タンにして臨みますが、長時間の停電になると、結局家族でトランプやUNO、ボードゲームを楽しむ展開になるのことも。
台風の時は、家族全員で過ごす貴重な時間となっています。
スマホのテザリングでギリギリのネット生活
停電するとWi-Fiも使えなくなるため、スマホのデザリングやモバイルに頼るしかなくなる場合があります。
SNSに台風状況を投稿したりニュースをチェックしたりと、情報収集手段はスマホのみという家庭も多いはず。
通信障害が起こることもあり、大容量などの動画視聴は難しくなり、最低限の連絡手段としてデザリングで踏ん張るイメージです。
台風通過後も停電が長引くと、スマホの充電に困ることもあります。那覇市では実際に、市役所などの公共施設で携帯電話の無料充電サービスが提供されました。
参考:琉球新報(2023年8月6日)【台風6号】那覇市が緊急充電を提供 市役所とおもろまちで
普段は料理しない人がなぜか料理し始める
外食や買い物に行けないので自炊せざるを得ないという事情もありますが、時間がたっぷりあるので凝った料理に挑戦してみたり、日持ちするおかずを大量に作り置きしたりするケースも多いです。
台風時の定番料理として「ヒラヤーチー(小麦粉を水や卵で溶いてネギ等を入れて焼く沖縄風お好み焼き)」や「ソーミンチャンプルー(そうめんとツナ等の炒めのもの)」があげられます。
シンプルな材料で作れるため、不慣れな人でも挑戦しやすい料理です。
カレーを仕込んだり、冷蔵庫の整理をかねて普段作らないようなお菓子やパン作りを始める人もいます。
「停電しないうちにご飯作っとこう」と、鍋いっぱいの料理を作り置きするのも台風前の風物詩なのです。
まとめ|台風は大変だけど、沖縄はちょっと楽しく乗り切る文化がある

長年の経験に基づく徹底した備えと、家族や地域で分かち合う精神で、沖縄の人々は毎度の台風を乗り越えてきました。
その過程で培われたユニークな「台風あるある」は、辛い状況でも笑いや余裕をうむ沖縄ならではの知恵と言えるでしょう。
「台風は大変だけどなんとなかるさ」の精神で、これからも沖縄県民はたくましく、時に楽しみながら乗り切っていくことでしょう。