沖縄旅行に行くと、耳にすることが多い「沖縄方言」。その響きはやわらかく独特で、聞いているだけでもなんだか心が温かくなるような魅力があります。中でも旅行者からよく質問されるのが「沖縄の方言で“かわいい”は何て言うの?」という言葉です。
実は沖縄には、女の子や子どもを褒めるときによく使われる表現があり、それが「ちゅらかーぎー」。直訳すると「美人さん」「かわいい子」という意味で、観光の場面でも地元の人との会話の中でも耳にすることがあります。
この記事では、「ちゅらかーぎー」という言葉の意味や由来、実際の使い方から、沖縄の若い人たちがどのように受け止めているのかまでをわかりやすく解説していきます。さらに、店名や音楽などで使われている具体例もあわせてご紹介しますので、沖縄方言のかわいい表現にもっと親しめるはずです。
沖縄方言で「かわいい」は「ちゅらかーぎー」!

| 方言 | ちゅらかーぎー |
| 意味 | かわいい |
| 語源・由来 | 「ちゅら」は 美しい・清らかを意味し、「かーぎー」 は 顔立ち・容姿を意味している |
| 親しまれ度 | 85点 |
沖縄方言で「かわいい」を表す代表的な言葉が 「ちゅらかーぎー(美らかーぎー)」 です。
- 「ちゅら」 … 美しい、清らか
- 「かーぎー」 … 顔立ち、容姿
この2つの言葉が合わさって「美人」「かわいい人」という意味になります。単なる「かわいい」というよりも、「顔立ちが整っていて魅力的」というニュアンスを含むのが特徴です。
観光客が沖縄の人に「ちゅらかーぎー」と声をかけると、「ありがと〜」と笑顔で返してくれることも多く、旅先のちょっとしたコミュニケーションにも使える言葉です。
また、沖縄方言には「かわいい」に近い表現がいくつかあり、例えば子どもや小さな物に対して「いみふぁー(可愛らしい、小さいものが愛らしい)」という言葉が使われることもあります。場面によって使い分けると、より自然な表現になります。
「ちゅらかーぎー」の由来

「ちゅらかーぎー」という言葉は、琉球王国の時代から使われてきた古い方言です。
「ちゅら」は「清らか」「美しい」という意味を持ち、自然の美しさや人の心の純粋さを表すときにも使われます。
「かーぎー」は「顔立ち」「容姿」のことで、もともとは人の見た目を表現する言葉でした。
この二つが組み合わさることで「清らかで美しい顔立ち」=「かわいい、美しい人」という意味になり、沖縄独特の価値観や美意識が込められた表現となっています。
また「ちゅら」は現在でも「美ら海(ちゅらうみ)水族館」など観光地の名称に使われており、沖縄を象徴する言葉のひとつになっています。こうした背景から、「ちゅらかーぎー」という言葉も今に受け継がれているのです。
「ちゅらかーぎー」の使い方

「ちゅらかーぎー」は、主に人を褒めるときに使われる沖縄方言です。日常会話では「かわいいね」「美人だね」というニュアンスで親しみを込めて使われます。
友達や恋人に使う場合
例えば、友達が新しい髪型にしたときに「○○はちゅらかーぎーやっさ〜」と言うと、「すごくかわいいね」という意味になります。恋人に対しても同じように使えるフレーズで、気持ちをストレートに伝えられる表現です。
子どもや小さな存在に使う場合
小さな子どもや動物に対して「いみふぁー(小さくて可愛い)」を使うのと同じ感覚で、「ちゅらかーぎー」と褒めることもあります。特に最近ではSNSでペットの写真に「ちゅらかーぎー」と書かれていることも多く、使い方が広がっています。
観光客が使う場合
観光で訪れた人が地元の方に「ちゅらかーぎー」と言っても通じますし、親しみを込めた会話のきっかけになります。無理に方言を多用する必要はありませんが、一言添えるだけでコミュニケーションがより楽しくなる言葉です。
実際の活用例
「ちゅらかーぎー」は日常のさまざまな場面で耳にすることがあり、使うと一気に沖縄らしい雰囲気が出る言葉です。ここでは具体的な活用シーンをご紹介します。
友達や恋人に
- 会話例:「今日の服、似合ってるね!ほんとちゅらかーぎーやっさ〜」
→ 「今日の服すごく似合ってるね、かわいいよ!」という意味。日常的な褒め言葉として自然に使えます。
子どもやペットに
- 会話例:「この子ほんとちゅらかーぎーね〜」
→ 子どもやペットを見て「かわいい!」と褒めるニュアンス。SNSではペット写真に「#ちゅらかーぎー」とタグをつける投稿も見られます。
SNSやメッセージで
- LINEやX(旧Twitter)での使い方:「昨日のプリ、みんなちゅらかーぎーだったね!」
→ 「昨日のプリクラ、みんな可愛く撮れてたね!」というように、現代の若者言葉とも組み合わせて使われています。
沖縄の若い人たちは実際に使っているの?
「ちゅらかーぎー」は沖縄方言の中でもよく知られている言葉ですが、実際に若い世代が日常会話で頻繁に使っているかというと、そうではありません。学校や友達同士の会話では、標準語の「かわいい」が主流で、方言はあまり登場しないのが現状です。
ただし、言葉自体は多くの若者に知られており、観光やイベント、SNSなどの場では「沖縄らしさを出すための言葉」として使われることが増えています。特にX(旧Twitter)やInstagramで「#ちゅらかーぎー」と検索すると、ペットやキャラクターの写真に添えられている投稿が多く見られ、必ずしも「女性」だけでなく「かわいい存在全般」を表現する言葉として広がっています。
また、若者同士の会話では「まぎーかわいい!(めっちゃかわいい!)」といった方言と若者言葉をミックスさせた表現もあり、現代的なアレンジが加わっているのも特徴です。
「ちゅらかーぎー」が使われている店・映画・音楽など
「ちゅらかーぎー」という言葉は、沖縄方言として日常会話だけでなく、店舗名や音楽などでも広く使われています。
店名に使われる例
沖縄本島の国際通り周辺には「居酒屋ちゅらかーぎー」という名前の店舗があり、観光客にもわかりやすい言葉として親しまれています。店名に「ちゅらかーぎー」と付けることで、沖縄らしさと親しみやすさを伝える効果があります。
(画像:店舗外観・看板/出典:Googleマップ)
映画や映像作品との関わり
沖縄を舞台にした映画やドラマでは、登場人物の会話に「ちゅらかーぎー」が出てくる場面があります。作品を通じて沖縄独特の表現に触れられるのも魅力のひとつで、観光や方言に興味を持つきっかけにもなっています。
たとえば、沖縄を代表するグループ・りんけんバンドの楽曲 「ちゅらぢゅら」 は、NHK大河ドラマ『琉球の風』(1993)でも使用され、方言「ちゅら(美しい)」の響きが広く知られるきっかけになりました。
音楽に使われる例
沖縄ポップス/民謡ポップでは、「ちゅら」「ちゅらかーぎー」をモチーフにした曲が複数あります。たとえば りんけんバンド「ちゅらぢゅら」や、伊禮俊一「ハイサイ!沖縄ぬちゅらかーぎー」(タイトル・歌詞に「ちゅらかーぎー」が登場)など。これらは「美しい」「かわいい」を称える沖縄らしい語感を、音楽の中で今も生かしています。
よくある質問(FAQ)
- 沖縄方言で「かわいい」は必ず「ちゅらかーぎー」と言うのですか?
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「ちゅらかーぎー」が代表的な表現ですが、子どもや小さい物に対しては「いみふぁー」を使うこともあります。状況によって自然に使い分けられています。
- 「ちゅらかーぎー」は男性にも使えますか?
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もともとは女性を褒める言葉として広まりましたが、現代では男女問わず「かわいい」「かっこいい」のニュアンスで軽く使われることもあります。
- 沖縄旅行で「ちゅらかーぎー」を使うと不自然ではないですか?
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不自然ではありません。意味は通じますし、観光客が使っても喜んで受け止めてもらえることが多いです。会話が弾むきっかけにもなります。
- 「ちゅらかーぎー」という言葉は現代の若者も使いますか?
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普段の会話では標準語の「かわいい」が多いですが、SNSではペットやキャラクターに「#ちゅらかーぎー」と付けて投稿されるなど、今風の使われ方も見られます。
まとめ|沖縄方言の「かわいい」を知ると旅行がもっと楽しくなる
沖縄方言で「かわいい」を表す言葉は 「ちゅらかーぎー」。もともとは「美しい顔立ちの人」を意味する表現でしたが、今では子どもやペット、かわいらしいもの全般に使われることもあり、幅広いシーンで親しまれています。
「ちゅらかーぎー」の背景には、「ちゅら=清らか・美しい」「かーぎー=顔立ち」という沖縄独特の価値観が込められており、日常の会話から音楽や店舗名にまで受け継がれています。
旅行の際に「ちゅらかーぎー」と一言添えてみれば、会話が弾み、沖縄の人との距離もぐっと縮まるかもしれません。沖縄方言のかわいい表現を知っておくことで、旅の体験がより豊かで心に残るものになるでしょう。

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